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特別対談 第2回 金美齢(元台湾総統府国策顧問)× 岡部倫典(大阪青年会議所)

米国トランプ大統領の就任と移民問題、迫る英国のEU離脱、北朝鮮の核増強と強まる対外強硬姿勢など、先行きの不透明感をいよいよ増す国際情勢。その中で日本の外交は、韓国、中国、ロシアとの交渉と綱引きとの間を行き来する。他方国内では、3年後の東京五輪、2025年を目指す大阪万博と、世界に日本を大きくアピールする機会も近づく中、日本のリーダーたちに今求められているのはグローバルな視点と見識に基づく巧みなリーダーシップ。
今号の巻頭を飾る理事長対談のゲストは、2月の月例会講師として大阪青年会議所がお招きした評論家の金美齢氏。帝国ホテル大阪での講演終了後の控室に金氏をお尋ねし、「グローバルリーダーシップの新基準」のテーマの下、豊かな教養と国際感覚、鋭い知見を持たれる金氏の日本と大阪のリーダーたちへの提言をお伺いした。

アメリカが「アメリカ・ファースト」なら、日本は「ジャパン・ファースト」。

理事長 本日は素晴らしいお話を有難うございました。講演に引き続き重ねてお話をお聞きすることになりますが、どうぞよろしくお願い致します。

金氏 こちらこそ有意義な場にお招き頂いて楽しませて頂きました。

理事長 有難うございます。早速ですが、今日は「グローバルリーダーの新基準」ということでお話をお伺い致します。大阪青年会議所が力を注ぐ未来のリーダーの育成という観点から考えますと、今回のこのテーマは教育と深く関わっていると感じます。具体的に言うと、先生が先ほどの講演でも強調されましたように、世界のリーダーたる者は自国の文化や伝統について語れなければならない、ということですね。しかし今の教育においては、歴史を教えるにしても国史といった部分が足りないのではないかと感じますが、この点はどのようにお考えでしょうか?

金氏 それはその通りだと思います。たとえば、今回アメリカのトランプ大統領が「アメリカ・ファースト」というスローガンで当選なさった。これはアメリカのトップとしては至極当然な話です。だったら日本は「ジャパン・ファースト」でいきましょう、でいいんですよ。しかしそのためには、リーダーはやはり日本のこと、あるいは大阪のことを歴史も含めてよく知っていなければならない。グローバルなんだと言っても、まず世界で自分の国の歴史、そのいいところ、あるいは大阪のいいところを知りアピールできる、これが出発点ですよね。リーダーとしては、そういう自分のルーツ、アイデンティティを語れなければ、世界では通用しませんよ。

理事長 仰る通りですね。ただ私も含め、なかなかそういうものに目を向けて知る機会が少ないと感じます。

金氏 日本は世界でも安全で安定している「いい国」だから、それが当たり前になってしまっていて、普段なかなか自国のことに目を向けない訳です。しかし世界はそうではないから、逆に自国のアイデンティティを深く考える。もう一つは、メディアの報道の仕方ということもあります。日本のこと、歴史のことを語ろうとすると「ナショナリスト」という烙印を押されたりします。こういう背景は大きいと思いますよ。アメリカでは堂々と「アメリカ・ファースト」と言えますけど、日本では大きな声で「ジャパン・ファースト」なんて言えないですもんね(笑)。

今年の大阪JCは「発信」がテーマ。数は力。

理事長 本当そうですね(笑)。確かに「控えめ」を美徳とする日本の文化のせいか、世界であまり日本のこととか自分のことを語って来なかったですよね。この点で私たち大阪青年会議所としては、特に今年は「発信する」ことに力を入れていこうと考えています。そうすれば私たちを知ってもらえるだけでなく、私たちも外からの反応を知って学べる。その「発信する」一環のイベントとして、今年の6月25日に、大阪城の北堀を使ってトライアスロン大会を開こうと企画しています。

金氏 まあ!それは面白い。

理事長 「発信」を目に見える、わかりやすい方法でやろうと思っています。一方で、2001年から「淀川花火大会」も企画・主催して、JCの会員が大会開催のボランティアをずっと務めて来ていますが、この事をこれまであまり発信してこなかったためにJCが関わっていることがあまり認知されていません。今後はこの点もPRしていこうと思っています。

金氏 ユニークな取り組みですね。大阪JCは日本では最大なんですよね?

理事長 毎年平均で1100名ほどいます。

金氏 素晴らしい。「数は力」ですからね。組織というのは大切です。特にJCという組織は、ボランティアですよね。自分の仕事も家庭もあるのに、自分たちのお金を使って手弁当で皆さん一生懸命やってらっしゃる。本当に素晴らしいです。私は九州のあるJCの理事長さんが本当に頑張ってらっしゃるので、奥さんもお招きしてお寿司をご馳走したことがあるんですよ。

理事長 それはすごい!(笑)。

金氏 私は頑張っている人は応援するんです。エールを送るんですよ。それが年寄りの仕事ですから(笑)。

真のリーダーの資質は、「威張らない」、「裏切らない」、「闘う勇気がある」。

理事長 有難うございます。大変心強いです。
仰って下さったように、大阪青年会議所は日本最大のJC組織です。一方、全国に696のJC組織がありますが、その7割が30人未満で、全部を足しても3.5万人ほどしかいないのが日本のJCです。ですからそういう中で、大阪青年会議所が担う役割は大きいと考えています。特に、大阪の経済文化や歴史、また進取の気性のある大阪人の資質という点から、ここから育つリーダーが日本全体をリーディングしていくべきと考えていますが、この点で先生からのアドバイスを頂けますでしょうか?

金氏 リーダーになる人の条件というものがあるんですよ。私が安倍晋三という人を最初からずっと応援してきたのは、彼が「威張らない」、「裏切らない」、そしていざという時には「闘う勇気がある」人だからなんですね。これこそがグローバルリーダーの真の資質です。これは一国の首相としてだけではなく、あらゆるリーダーとして最高の資質だと思います。国のリーダーでも、組織のリーダーでも、また家庭のリーダーとしてもそうですね。

理事長 なるほど、仰る通りですね。
一方、私は大阪青年会議所の理事長として、日本や世界のどこに行っても「大阪」という看板を背負っているということを意識します。特に先輩たちから継承してきた「大阪ならでは」の伝統、先生も講演の中で言われていた「義理・人情」も守っていくべきであるとも考えています。

金氏 それはとても大事なことですよ。

理事長 私はその点で、自分の行動指針として「先義後利」をモットーにしています。まず人のために自分が先に動く。利は後からついてくるというものです。大阪人は合理的と言われますが、一方で「義理・人情」に厚くて、大阪商人の中にもその伝統があります。ただこれも今あまり知られなくなっていて、あらためて「発信」する必要があるかもしれません。

金氏 その「発信」という点で私が面白いと思ったのは、名古屋です。私の息子は慶応に行きましたけど、名古屋大学も受けて合格した時に受け取った電報が「シャチホコ、タツ」だったのね。これは上手いと思った(笑)。大阪大学でもそういうことをなさったらいいんじゃないかしら。

理事長 それは面白いですね。今度市長に提案してみます。

金氏 大阪の夜景も素晴らしいのに、あまり有名じゃないでしょ?私は大阪に来たらいつもリッツ・カールトンに泊まるんだけど、そこの37階の夜景が素晴らしいからカーテンを開けっぱなしにするんですね。でもこのすごい夜景が知られていない。こういうこともやっぱり「発信」するべきですね。

アイデンティティ、教養、言葉の力。

理事長 なるほど。大阪には、古くからの歴史と日本第二の都市としての魅力が多くあるのに、まだまだ「発信」が足りないということですね。これはますます努力していこうと思います。
さて最後に、今日の講演の中でも強調された、リーダーにとってのアイデンティティと教養の重要性についてまとめて頂けますか?

金氏 このグローバル化した社会で、リーダーの言葉には力と熱意が必要です。自分自身のアイデンティティに裏打ちされた力強い言葉。教養はその言葉に説得力を加えます。

理事長 なるほど、確かにその通りですね。今日は本当に有難うございました。

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