TOP MESSAGE

世界に誇る強靭都市
大阪の実現
– 「結の心」であたたかな未来をつくろう –

いつも誰かが手を差し伸べてくれていた。
それでも一歩踏み出せば
すべてが変わった。

授かるやさしさを感謝に変えた、しなやかな思いやり
煌々と輝く個性が、周囲を照らす光となって
誠実に行動し続ければ、必ず人びとの意識と行動を変えられる。

この「結の心」を拡げ、あたたかな未来をつくっていきたい。

はじめに

2019年に端を発し、世界に蔓延した新型コロナウィルス感染症は、世界経済に大きな打撃を与え、長期にわたって不安や困窮が拡大し続け、社会システムや人の弱さを露呈させることとなりました。一方で、デジタルインフラの活用が浸透し、世界との繋がり方やライフスタイルに至るまで、これまで当たり前だった私たちの暮らしに大きな変化をもたらしました。人類はこれを機に、まだ見ぬ困難に立ち向かうために、未来を見据えどう歩みを進めるべきなのかを考え、行動していかなければなりません。

近年では、相対してのコミュニケーションを図る場面が著しく減少することで、人と人との繋がりが希薄化し、共助の精神が失われつつあります。しかし、以前は家族間だけではなく、地域の人たちがあたたかなコミュニケーションを取りながら共に暮らし、安心安全に子どもを育める環境を築いてきました。また、私たちの記憶にも新しい大阪府北部地震においては、大半のライフラインや交通網を翌日には復旧することができました。有事の際にも、一人ひとりが自分以外の誰かのために想いを結束し、一刻も早く日常を取り戻すために行動したことで、早期に都市を回復することに成功し、より発展させることができたのです。これからの私たちは、都市の発展だけを考えて行動するのではなく、世界へ新たな価値観やライフスタイルを生み出す大阪・関西万博の開催や、その先の未来を見据え、持続可能な社会の在り方に関心をもつことも大切です。また、独自の文化や魅力を新たな取組みによって世界に発信できれば、かつての高度経済成長のように、大阪はより発展することができるでしょう。

社会不安に起因する、あらゆる層に蔓延しつつある利己的な思考から脱却し、期待される都市の一員として、どんな状況でも社会における役割を全うする人的インフラを取り戻さなければなりません。今こそ、授かるやさしさから生まれるしなやかな思いやりと、相手の個性を煌々と輝かせる強さをもち、誠実に行動し続ける「結の心」を灯すことができれば、人びとは自然と結びつき、民の力が発揮され、誰もが当たり前の日常を過ごすことができるあたたかな未来への礎となる、世界に誇る強靭都市大阪が実現されるのです。

思いやり溢れる強靭な地域を取り戻そう!

新型コロナウィルス感染症の拡大や、経済環境の悪化によって子どもは、学校や地域で仲間と接する機会が減少し、他者への思いやりが薄れつつあります。一方で、様々な情報を得られる環境が整ってきたことで、これまでより多く学ぶ機会が得られ、夢や将来就きたい職業を想い描くことができるはずです。自由に自身の希望を想い描くためには、これまで以上に地域の大人が繋がり合い、あたたかなコミュニケーションから互いの思いやりを育み、大人が子どもを見守りながら、未知への関心や好奇心を高める環境を構築していかなければなりません。

また、これから子どもが迎える未来は、大人でさえも見通すことが難しい時代になることは間違いありません。ライフスタイルの変化や予見される自然災害など、自らが状況判断を繰り返し、多くの成功と失敗を経験しながら未来を切り拓いていかなければなりません。子どもが力強くこれからを生き抜いていくためには、体験によって様々な価値観や考え方に触れ、困難な状況を自ら乗り越え、仲間とともに問題を解決する力が必要です。成功や失敗を受け止め、肯定的に捉える積み重ねから自己肯定感が芽生え、希望をもって未来へ突き進む子どもを地域全体で支える環境こそ、これから求められる強靭な地域インフラのあり方なのです。

私たちは、地域をあたたかく照らし続ける強固な連携を築き、夢や希望に向かって仲間と協働する力強い行動力を養い、地域を愛する人びとが共生する、世界に誇る強靭都市大阪を実現します。

輝く個性で新しい価値を生み出そう!

これまでの画一的な教育は改善されつつあるものの、自らが考え、チャレンジしようとする若者が、世界と比較しても少ないのが現状です。さらに、世界で活躍する意欲をもたせる環境も多くはなく、このままでは厳しい競争の中で生き残ることができず、大阪は一気に衰退してしまいます。今後も社会が目まぐるしく変化していくことが予見される中、未来を創っていくべき若者が、柔軟な発想と個性を活かし、挑戦する意欲をもつことが必要です。多くの企業家を輩出してきた文化に根付く大阪の精神性と、新たなライフスタイルによって輝きを増す個性が調和する世界に先駆けたモデル都市として、挑戦する環境を構築し、若者が新しい価値を生み出し続けなければなりません。

また、世界の国々は目の前の課題に精一杯になり、グローバリゼーションへの意識と行動が弱まってきています。一方で、エコシステムに代表されるように、収益を上げながらも社会課題を解決するビジネスが、世界中で次々と生み出されてきており、ビジネスを通して企業が共通の課題を解決するために実践し、継続していくことが必要不可欠な社会になることは間違いありません。在阪企業や研究機関、行政等の連携を活用することができれば、これまでに無い価値観や新たな技術で、持続的に都市を発展させていくことができるのです。

私たちは、都市の資産を土台に活躍する姿を想像し、柔軟な発想と連携から価値を生み出す意欲と行動力を携え、個性輝く人財が共感を生み出す、世界に誇る強靭都市大阪を実現します。

民の力で未来を描こう!

私たちは数々の自然災害を経験し、近い将来大きな地震も予見されています。これまでの経験の積み重ねから、情報ツール等の利便性は向上していますが、防災への意識や関心はどうしても時間が経つにつれ低下してしまいます。災害への対応力向上は、都市機能や経済の早期回復に直結するため、起こる前の準備や意識は極めて重要です。一人ひとりが十分な対策を行うことに加え、ICT技術の活用と将来への危機意識を共有し、有事の際にはそれぞれが他人任せにすることなく、地域の中での役割を果たすことができる官民の繋がりで、あらゆる事態に備えておくことが必要です。

また、大阪・関西万博にむけて準備は進んでいるものの、近年の社会情勢の影響もあり、市民や企業の関心は高まりを見せるに至っていません。加えて、これまでの大阪都構想の是非は、都市への関心を高めることになりましたが、官民が議論や連携する場は十分ではなく、市民の想いと都市の進むべき方向性を決する政治とが、真に意識統一できた状態にない現状では、矛盾が生じていることを誰もが理解をしなければいけません。大阪・関西万博を1つの契機と捉え、その後の未来に都市がどうあるべきか考えるきっかけにすれば、都市への関心を高めることに繋がります。立場を超えて能動的に自らの役割と責任を果たすことができれば都市は動くことを体感し、いかなる問題をも解決することができる強靭な都市モデルを確立できるのです。

私たちは、どんな環境でも自らに役割があることを理解し、官民が支え合う本来の都市の姿を取り戻し、立場を超えた共創で人びとの想いを結びつけ、世界に誇る強靭都市大阪を実現します。

強靭な組織へ

社会での立場に関係なく何事も受け止め、互いに知性と品格を磨き合える人づくりと、いかなる時代も都市に貢献し続けてきたまちづくりの両輪を回し続けたことで、蓄積された資産とネットワークをもつ私たちは、世界でも唯一無二の存在です。

青年会議所は、全国に広がる組織として明るい豊かな社会の実現にむけた運動を展開し、日本の社会や経済を支えてきました。近年では制限された環境となったため、そこに適応し学びを得ながら新しい挑戦を続けてきました。時代が急速に移り変わる中で、社会環境も変化し続けていることを誰もが受け止め、いかなる困難をもプラスに転換するためには、これまで以上に学びとやりがいを得られる組織へと進化させていかなければなりません。

そのために、同じ目標に向かうことで得られる経験や異なる背景をもつ仲間の価値観を認め合い、これまで組織を支えてきたインフラとも言える会員同士の繋がりを再構築することから始めていくことが必要です。また、私たちと同じくして都市のために活動する様々な外部協力者も、少なからず活動に制限を受ける中で、改めてそれぞれの強みを活かし、繋がりを強化することで、これまで以上に共感が生まれ、市民の自発的な行動に繋がるはずです。さらに、最先端の技術や思考を学ぶだけでなく、活用して実践する環境を整えることに加え、必要なものを残しながらも時代に先駆けて進化し、考え抜くことを諦めず、挑戦し続けることができれば、会員の社業や、所属するコミュニティにおいてのロールモデルとなり、それぞれの資質を向上させることになります。私たち自身が先輩諸氏から受け継いだ創始の志を胸に秘め、これからの時代に求められるリーダーであり続けることで自然と同志が集い、どんな困難にも立ち向かい、都市を牽引する強靭な組織へと進化することができるのです。

目の前の人を、今立っているこの場所を、少しでもより良く変えるために。

一人ひとりが、
いつも隣にいてくれる人たちを思いやり、
自らの成長を願う以上に他者の幸福を願い、
偽ることなく純粋に当たり前のことを積み重ねよう。

大切な人に、家族に、仲間に、そして、全ての人びとにあたたかな未来が訪れるよう、
「結の心」を拡げ、世界に誇る強靭都市大阪を実現させよう。

一般社団法人 大阪青年会議所
第72代理事長梶本秀則